相合い庭のいえⅡ
生家の土地をベースに、ご兄弟それぞれの世帯が独立した生活空間を持てる2つの住まいを設計しました。コンセプトは、プライバシーを確保しながらも、リビングからつながる中庭や駐輪場などを共有することで、お互いの気配を感じながら暮らせる住まいです。
都会の一角にある土地ということで設計上の制約も多いなか、緑と光が織りなす穏やかな空間をデザインしました。またリビングへの採光を確保するために、片方の家(相合い庭の家Ⅰ)の屋根形状の設計を工夫しています。庭とのつながりを大切にしつつ、自然光を最大限に取り入れることで、都会の小さな土地でも豊かな暮らしが送れるよう配慮しました。
Detail
- エリア
- 東京都目黒区下目黒
- 設計
- atelier oui宇佐美愛建築設計事務所
- 竣工年
- 2024年
- 構造
- 木造 戸建て
- 建物概要
- 敷地面積 86.15㎡(53.17坪)
建築面積 46.70㎡(14.127坪)
建ぺい率 60%
延床面積 85.53㎡(25.873坪)
UA値 0.3W/㎡K
C値 0.2c㎡/㎡
耐震等級3(許容応力度計算)
床下エアコン+小屋裏エアコン
屋根/ガルバリウム鋼板
外壁/そとん壁
内壁/コットンクロス
床/北海道タモ
窓/YKKap「APW330防火」
アルス 木製窓
ユダ木工 玄関ドア
リビング・キッチン
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リビングからフラットにアクセスできる中庭が、コンパクトな空間に開放感をもたらしてくれます。都会にいながらも自然の心地よさを感じられる空間。
床/北海道タモ
壁・天井/コットンクロス
窓/YKKap APW330防火
アルス 木製窓 -
ご兄弟宅の屋根形状との調和を図りながら、リビングに最大限の日射量を確保しました。大開口の窓から注ぐ自然光が、心地よいリビング空間を演出します。日中は照明なしでも十分な明るさを確保できます。
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リビングの造作家具は、テレビボード、見せる収納、キッチンボードの機能を巧みに融合させ、空間の美しさと使いやすさを両立させています。施主のライフスタイルに寄り添い、暮らしに合わせて造作家具を設計します。
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造作家具の裏側は収納力たっぷりのキッチンボードに。空間を上手に仕切りながら、外からの視線も遮る設計です。
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リビング入口に設けたクローゼットは、帰宅後すぐにアウターを掛けられるだけでなく、インテリアとしても空間を引き立てます。生活動線に沿った設計です。
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ステンレス天板の光沢が美しいタカラのホーローキッチンは、お手入れも簡単。パントリーとキッチンを隣接させ、調理導線を快適にしました。
キッチン/タカラスタンダード「オフェリアI型 L-2550」
中庭
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ふたつの住まいを繋ぐ中庭には、耐久性に優れた屋久杉を用いたデッキを設けました。自然素材の温もりと、長きに渡り美しい姿を保つ耐久性を兼ね備えたデッキは、まるで自然の中にいるような心地よさを提供。木材1本1本に表情があり、人口デッキにはない魅力が感じられます。また、屋久杉は耐久性が高いため、メンテナンスの手間がかかりません。
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中庭の高木(ヤマボウシ)は、2階からも楽しめるように配置。2階の窓から高木の葉がそよぐ様子を眺めることができ、四季折々の変化も楽しめます。
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ティータイムの優雅なひとときから、家族みんなで楽しむバーベキューまで、多彩なシーンに対応できる、暮らしに彩りを添える空間です。
子供部屋・寝室
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奥様の理想と、お子様の成長を考えた、安心安全な空間です。広々としたスペースで、お子様が自由に走り回れるのはもちろん、将来は家具で仕切ってプライベートな空間も確保できます。また、屋根の形状に合わせた天井は、まるで隠れ家のような温もりを感じさせます。
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R天井の寝室は、柔らかな曲線が生み出す温もりと、心地よい開放感が魅力。一日を終えて心が安らぐ、特別な空間です。
水まわり
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間接照明が柔らかく広がり、奥行きを感じさせる洗練されたトイレ。今回採用したTOTOの「ZJ2」は、掃除のしやすいフチなし形状や、汚れが落ちやすいトルネード洗浄がポイントです。
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洗面化粧台には、タカラスタンダードのドレシオを採用。キャビネットが丸ごとホーローになっているので、マグネットで間仕切りを自由に調整したり、高温のドライヤーをサッとしまえたりと機能性抜群です。ワイドな洗面ボウルで、朝の支度も楽々です。
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白を貴重とした浴室は、清潔感に溢れています。浴室に採用したタカラスタンダードのリラクシアは、浴槽以外すべてがホーロー素材でできているのが特徴。水垢もサッと拭き取れるので、毎日のお手入れを楽にしてくれます。
環境に対する取り組み
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国産材利用量 15.2㎡
国産材の 炭素貯蔵量 (CO₂換算) 10.4t-CO₂
※この表示は、林野庁「建築物に利用した木材の炭素貯蔵量の表示ガイドライン」(令和3年10月1日付け3林政産第85号林野庁⻑官通知)に準拠し、この建築物に利用した木材が貯蔵している炭素(CO₂換算)の量を示すものです。
木材は、森林が吸収した炭素を貯蔵しており、木材を建築物等に利用していくことは、「都市等における第2の森林づくり」としてカーボンニュートラルへの貢献が期待されています。